住宅ローンの支払が苦しい・・・ 住宅ローンを滞納・滞納するとどうなるのか? 

住宅ローン利用者の多くは返済を何十年という長期間で計画します。
返済期間を長くすれば毎月の負担は軽くなりますが、返済期間中の不確定要素も多くなるので「住宅ローンの返済が経済的に難しくなってしまう」という状況も考えられます。
では、住宅ローンの返済を遅延、延滞してしまうとどのような状況になってしまうのでしょうか?
万が一のケースに正しい行動ができるよう、今回は住宅ローン滞納後の状況を確認していきます。



■住宅ローンの支払いが延滞 即差し押さえではない
住宅ローンの支払い延滞というテーマになると、「競売にかけられた」 「マイホームが差し押さえられてしまった」という話を良く目にします。
ここだけの話を切り取ると『住宅ローンの滞納 = 家を差し押さえられる』や『住宅ローンの延滞 = 自己破産』というイメージを持ってしまいますが、一度の滞納でこのような状況になることはありません。
また、自宅や勤務先に支払いの取り立てに来るといったこともありませんので、このようなことを心配されているのであれば安心して下さい。
とは言え、どんな事情があるにせよ住宅ローンの支払いをしていないという事実を変えることはできないので、いち早く適切な行動をとらなければいけません。
何も行動せずに住宅ローンを滞納してし続けてしまうと最終的にはマイホームを差し押さえられ競売にかけられてしまいます。
 
■住宅ローンの延滞・滞納から競売までの流れ 競売までの期間はどれくらい?
ここから滞納から競売までの流れを確認していきます。
ただし、これは延滞後も債務者が何も行動を起こさなかった場合に該当するケースになるので、全ての方に当てはまるわけではないのでご承知おき下さい。
 
1.住宅ローンの支払い延滞・滞納
 ↓
2.金融機関から住宅ローンの支払いについて督促状や催告書が自宅に届く

3.期限の利益(住宅ローンを分割して支払う権利)が喪失する
  ↓
4.債権者が銀行から保証会社へ移行して競売開始決定通知が届く(マイホームの差し押さえ)

5.裁判所から『期間入札』の通知が届き競売の広告がされる
  ↓
5.期間入札開始

 
住宅ローンの滞納から競売の開始までは4つのステージに分けることができ、延滞から約8か月前後の期間で不動産は競売にかけられます。
※期間については全金融機関共通ではありません。各金融機関によって異なります。
 
ではステージ別に確認をしていきましょう。
 
■金融機関から住宅ローンの支払いについて督促状や催告書などが自宅に届く
(住宅ローン延滞 ~ 3か月)住宅ローンを滞納・延滞が開始すると、金融機関より『督促状』や『催告書』、『支払い請求書』などの書類が自宅に送付され、滞納している住宅ローンの支払いおよび遅延損害金が請求されます。
書類には、期限の利益の喪失、住宅ローンの一括返済、保証会社の代位弁済、個人信用情報への登録などの内容が記載されていますが、このタイミングではマイホームは差し押さえられていません。
 
■期限の利益(融資金額を分割して支払う権利)が喪失する
(4か月 ~6か月)期限の利益とは『住宅ローンを分割して支払う権利のこと』を言います。
簡単に言い換えると、「金融機関と締結したローン契約書に記載されている最終返済日までに融資金額を返済してくれれば良いですよ」ということです。
この『期限の利益』があるので、金融機関はどんな状況であっても途中で一括返済を求めることができません。
ところが住宅ローンの滞納を続けてしまうと、期限の利益は必ず喪失します。
これはローン契約書の約款にも記載してあり、督促後にも住宅ローンの返済が行われなかった場合には期限の利益を喪失し、借主は住宅ローンの全額を一括返済しなければいけなくなってしまうのです。
とはいえ、手元資金で返済することは現実的ではないため、借主の立場からしてみれば「対応したくてもどうすることもできない」といった状況と言えます。
 
■債権者が銀行から保証会社へ移行して競売開始決定通知が届く
(7か月 ~8か月)
期限の利益が喪失すると、債権者が金融機関から保証会社に移行します。
借主の期限の利益が喪失すると、金融機関の保証提携先の保証会社が住宅ローンの全額を代位弁済します。
※保証会社とは住宅ローンの審査を行っている機関のことで、借主の連帯保証人のようなイメージです。
このタイミングで債権が金融機関から保証会社に移行してマイホームの競売が申し立てられます。
 
競売手続きが開始すると、裁判所より『競売開始決定通知』という書類が自宅に送付され、マイホームは『差し押さえられている状況』となっています。
それから1~2週間後には裁判所の執行官が自宅の現況調査(自宅査定のような作業)を行うのですが、これに逆らうことはできません。
仮に玄関を施錠していたとしても、執行官は許可を得ることなく鍵を解錠することが認められています。
 
■裁判所から『期間入札』の通知が届き競売の広告がされる
(競売開始決定通知書の送付から2週間ほど)『期間入札通知』には、入札期間や開札期間など、競売に関する具体的な日時が記載されています。
いつ購入希望者からの入札を受け付け、いつ開札して購入者を決定するのか、『期間入札の通知』には具体的な内容が記載されており、一般的に入札期間は通知後1~2週間です。
 
■住宅ローンの返済が苦しい場合の対応策は?不動産差し押さえ後も住み続けることはできる?
競売までの流れを理解したところで、次は対応策などについて確認していきましょう。
住宅ローンの遅延・延滞をしている状況であっても即時に立ち退きを迫られるということはなく、基本的には新所有者へ所有権が移転するまで住み続けることができます。
ただし、不動産の所有権が移転した段階で『マイホームから売買対象不動産』へ『所有者から第三者占有者』に変わっているので、新所有者の指示に従い建物を明け渡さなければいけません。
明け渡さない場合は法的措置を講じられる可能性もあるので、どんな事情があるにせよ売買対象不動産の明け渡しを拒むことはできません。

次に 返済が苦しい場合、対応策です。
これは単純に『金融機関に相談すること』これが最善の対応策です。 
タイミングとしては『住宅ローンを延滞する前』に行うことが望ましく、状況によっては『元金猶予』や『返済期間の延長』、『返済計画に見直し』など、柔軟な対応策を検討してもらえる可能性があります。
金融機関への相談は『遅延・延滞をする前』必ず、気恥ずかしい気持ちが出るかもしれませんが絶対にやってください。
 
経済状況は「何とかなる」という楽観的に考えだけでは解決しないので、適切な行動をいち早くとれるようにしておくことが大切です。
 

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