仲介手数料が安い不動産仲介会社 マンション売却を任せて大丈夫?

マンション売却の必要経費である『売却諸経費』。
中でも高額となるのが仲介手数料絵で、「この手数料が安くなれば…」と考える方も少なくないはずです。
このニーズに答えるためか、最近では『仲介手数料半額』や『仲介手数料無料』といったサービスを提供する不動産仲介会社も出てきていますが、このような不動産仲介会社にマンション売却を任せて大丈夫なのでしょうか?
 
今回は、仲介手数料の割引と不動産仲介会社選びについて確認していきます。
 
■売却諸経費の仲介手数料とは?
まず、仲介手数料の確認です。
仲介手数料とは、マンション購入・売却行った際、不動産仲介会社を介して売買契約が成立した場合に支払う報酬のことを言います。
もし、親族や友人・知人などの知り合いの中に購入希望者がいた場合、このケースでは不動産仲介会社を介す必要性がありませんので、仲介手数料の支払い義務は生じません。
 
■マンション売却の諸経費は95%が仲介手数料!
物件種別などによって異なりますが、多くのケースでは下記4項目の費用を合計した金額が諸経費金額となります。
・収入印紙
・抵当権の抹消登記
・司法書士報酬
・仲介手数料 
 
 
この中で最も高額なのが仲介手数料で、金額は 成約価格× 3% + 6万円(税別)です。 
仮に、3000万円で所有マンションが成約した場合の各項目の諸経費金額は
・収入印紙:1万円
・抵当権の抹消登記:1千円
・司法書士報酬:1~3万円(各事務所によって異なります)
・仲介手数料 :105.6万円
 
合計すると、売却諸経費金額は109.7万円、仲介手数料金額が105.6万円となるので、仲介手数料が占める割合が非常に高いということが分かります。
 
 
■なぜ一部の不動産仲介会社は仲介手数料を安くできるのか?
ここまでの説明でお分かりの通り、仲介手数料とは不動産仲介会社の利益です。
安くすればその分利益が少なくなってしまいますから、仲介会社側も手数料を安くしない方が得策です。
 
では、一部の不動産仲介会社はどのような方法で『仲介手数料半額』や『仲介手数料無料』などのサービスを提供しているのでしょうか?

ケース1.売却サービスが限定される
手数料を割り引いたとしても、その分の経費も節約できれば問題ありません。
不動産仲介会社は内見対応や物件査定など、売却活動にかかわるサービスに制限を設けてコストを削減しています。
・内見対応を売主自身で対応する
・広告媒体がヤフー不動産のみに限定される etc
 
ケース2.物件の広告方法が制限される
マンション売却で最も力を入れる作業は『広告』です。
一般市場の購入検討者に対して物件情報を露出させなければ、どんなに素晴らしいマンションであっても興味を持ってもらえません。
広告費の費用負担をするのは不動産仲介会社なので、広告方法や広告可能な媒体に制限を設けています。
 
各不動産会社によって対応方法は様々ですが、上記のような方法を用いて仲介手数料の割引に対応している不動産仲介会社が多くなっています。
 
■仲介手数料を割り引くことができればマンション売却で得をするのか?
仲介会社のコスト削減方法を確認したところで、ここで疑問が生じます。
 
「売却活動が制限された状況の中でマンションを適正価格で売却することができるのか?」
 
先ほど計算していますが、3000万円でマンションを売却した時の仲介手数料は105.6万円です。
この手数料が半額の場合は▲52.8万円、無料の場合は▲105.6万円、節約できるということになるのですが、この計算は『適正価格でマンションが売却できること』が前提条件です。
もし、売却マンションの適正売却価格が3150万円だった場合この計算は成り立たなくなり、売主は仲介手数料を支払ったとしても損をしていることになってしまいます。
 
実際、マンション売却でおいて『売出価格を低く出しすぎてしまった』という方は多く、適正価格で売却するということは簡単ではありません。
マンションの成約価格は、売却方法・不動産会社によって変動する可能性が高いので、仲介手数料の損得勘定だけで不動産仲介会社を選ばないようにして下さい。
 
■不動産仲介会社選びは売却実績を重視する
では、次に不動産仲介会社選びのチェックポイントです。
媒介契約の種類によっては、売却依頼できる不動産仲介会社は1社に限られます。
なので、仲介会社を選ぶ際には以下のポイントを必ず確認するようにして下さい。
 
1.不動産会社の実績
同マンション・近隣エリアでの実績を確認しましょう。
全国に多店舗を構えている仲介会社の場合、同一会社他店舗の実績も含めてプレゼンテーションを行います。
多店舗展開している不動産仲介会社の場合は、店舗の実績を確認しておきましょう。
 
2.担当する営業マン
売却活動をサポートしてくれるのは会社ではなく営業マンです。
内見対応、お客様対応は全て営業マンが行うので、営業マンの一言で物件の印象が良くも悪くもなります。
会社の看板力だけで何千万円もするマンションを売却することはできないので、目の前にいる営業マンのレベルもしっかりと確認しなければいけません。
最近では二人一組で対応するケースも多くなっていますので、「どちらの営業マンが主担当になるのか?」も忘れずに。
 
3.マンション売却に関する知識
不動産価格というと『地価』に着目する方が多いのですが、マンション価格と地価の相関性は低いものと考えられるので、
地価が5%上昇すればマンション価格も同様に上昇するという単純な話ではありません。
必要な知識は以下の3点
・成約価格の推移
・売出価格の推移
・エリアの需要

 
成約情報を確認するだけではマンションの適正価格を判断することはできないので、営業マンに対して上記3点について必ず質問をしておきましょう。
あいまいな受け答え、数字に基づかない返答をする営業マンは要注意です。
 
4.AIで査定を行う
最近では人工知能を利用したAi査定が人気を集めています。
ただ、AIは人間が組み上げたシステムですから、査定価格には人間の意思が反映されているので、精度は各サイトによって全く異なります。
また、AIに査定を任せているということは営業マンの知識量・経験値にも多少の疑問が残りますから、AIを前面に押し出してマンション売却を行おうとしている会社には注意した方が良いでしょう。
 
マンション査定は複数社に査定依頼するのが主流です。
「査定価格が高い・安い」
「仲介手数料が安い」
「目新しい」
上記のような理由だけで売却依頼をする不動産仲介会社を選ばないように注意して下さい。
 
■仲介手数料の値引き交渉はでいないのか?
最後に、仲介手数料の値引き交渉です。
大手・中小問わず、どこの不動産仲介会社であっても仲介手数料の値下げを行うことは数字上可能です。
なので、仲介手数料の値引き交渉は忘れずにしておかなければいけません。
 
ただし、交渉を行うタイミングは『媒介契約を締結する前』です。
媒介契約書には成約時に支払う仲介手数料金額が記載されてしまっているので、交渉を後回しにしてしまうと売主が不利な状況となってしまうので、値引き交渉は媒介契約締結前に必ず済ましておきましょう。
 
マンション売却の目的は適正価格、より高い金額で売却することです。
仲介手数料分の利益を享受できるのであれば、必要経費として支払う価値は十分ありますので、手数料金額の高い・安いだけで不動産仲介会社選びをしないようにして下さい。
 

↓↓各エリアの価格改定・成約情報 売却相場価格の確認を忘れずに↓↓エリア別中古マンション価格改定・成約情報

査定価格は不動産会社によって何百万円もの差が生じる可能性もあるので、相場確認と査定結果の比較は必須作業です。
SmoolaのAI査定を利用して後悔のない高値売却を実現させましょう。