担当営業マンとの付き合い方 マンション売却で損をしない4つの注意事項

新築・中古問わずマンション市場は活況な状況で、「購入金額よりも売却価格が高くなった」というケースも珍しくありません。
マイホームの買い替えを検討している家庭も多いタイミングなのですが、このような時だからこそマンション売却は注意深く進めていかなければいけません。
営業マンは不動産会社に雇われている会社員で、会社員が最優先にするべきは会社の利益です。
気づかぬうちに何十万円という金額を損してしまう可能性もありますから、今回は『営業マンとの付き合い方』について紹介していきます。
 
1. 両手取引を優先させた査定価格、売出価格にならないようマンションの適正価格を確認しておく
不動産仲介会社はそれぞれで自社の顧客を抱えています。
売却依頼を獲得した際には、いち早く自社の顧客に物件を紹介することになるのですが、ここで注意です。
 
もし、営業担当が事前に購入検討者とコンタクトとっていたとしたら…
営業「希望条件に近い物件の売却依頼を獲得できるかもしれません。」
顧客「どんな物件ですか?」
営業「広さは〇〇で、設備のコンディションは良好、〇向きなので眺望、日当たりも良いです」
顧客「価格はどれくらいですか?」
営業「〇〇〇〇万円前後になるのではないかと思います。」
顧客「ちょっと希望より高いので〇〇〇〇万円になってくれると良いのですが…」
 
これは不動産会社が両手取引を優先させるために査定段階から物件価格を落とし込もうとするケースで、この場合は気づかないうちに数百万円、数十万円の損をしてしまうので担当営業マンとのやり取りは注意深く進めていかなければいけません。
 
現在のように『購入価格よりも売却価格が高いケース』は所有マンションの適正価格を判断するのが難しいタイミングです。
たとえ市場価格より売却価格が低くとも、購入価格よりも高く売却できると一定の満足感を得ることができるので、今回のような『損』をしてしまいます。
 
仮に、R社が5人の購入検討者を保有していたとします。

 
このケースでは、仲介会社が『希望予算:6000万円』の顧客と売買契約を締結しようとする時は要注意です。
 
6000万円と6500万円、一見すると金額差が大きく感じられますが、もし購入検討者の予算が6300万円前後まで上がってきたとしたらどうでしょう。
大半の購入検討者は物件諸条件(広さ、コンディション、日当たりetc)に応じて予算に幅を持たせているので、物件の300万円ほど予算を上げることは珍しくありません。
こうなると、価格差は一気に小さくなるので査定時の提案次第で、この売買契約の行く末は真逆になる可能性が出てきます。
 
200万円の価格差であれば、室内のコンディションや所在階、消防などの諸条件を含めて提案していくと、「何となく、それっぽく、それなり」な話をすることが可能です。
 
仮に6300万円で成約したとして適正価格が分からなければ不動産オーナーは200万円の損失が生じていることに気づきません。
仲介会社の手数料売上に関していえば、数万円の価格差にしかなりませんから、仲介会社にデメリットは存在しないということです。
 
数十万円、数百万円の損を出さないためにも、大手・中小、双方の査定価格の提案を受けマンションの適正価格を可能な限り正確に把握しておかなければいけません。
ここで大切なのが、中小にも査定依頼をして強気の査定価格を知るためです。
中小には大手ほどのネームバリューがないので、売却依頼を獲得するためにチャレンジ価格を提案してきます。
依頼するか否かは別問題で、マンションをより高く売却するのであれば大手・中小の不動産会社に査定依頼をしておきましょう。
  
2. 担当営業マンに希望売却価格を気づかれないように
営業マンは成約することが仕事なので、『いくらなら売却してくれるか?』を日常的に探ってきます。
ゴールが分かれば、営業マンにとってこれほど楽な仕事はありません。
 
最近では、「営業マンと売出価格の相談をして決めました」という方も多いのですが、より高くマンションを売却するのであればこれは止めましょう。
この方法では、営業マンに売伽希望価格が分かってしまいます。
例え、価格交渉されることを前提に売出価格を高めに設定しても、営業マンが価格交渉を前提条件に営業活動してしまえば、不動産オーナーにとってメリットがありません。
 可能な限り高い金額でマンションを売却したのであれば、営業マンとの距離は適度に保ち、お金に関することは一人で決めるようにして下さい。
 
3. 機会損失のリスクを煽られた時は冷静に、持ち帰り検討して売却活動の確認を
マンション売却では、数十万円、数百万円の価格交渉はよく耳にします。
価格交渉を受けるか?受けないか?の判断は不動案オーナーが決めることですが、この価格交渉を巡って営業マンとの攻防がおこなわれます。
ここで営業マンから言われる決め台詞が「このチャンスを逃すと次はいつになるかわかりません」です。
 
たしかに嘘ではありません…
ですが、希望の売却時期までにもっと高い金額で購入を希望する人が現れる可能性もゼロではないので、ここでの判断は非常に重要です。
 
今回の様な購入希望者から価格交渉の申し出があった場合、不動産オーナーが最初にするべき作業は現状の確認です。
営業マンとの相談は一番最後で、まずは現状までの売却活動の成果を確認、把握して下さい。

・売却活動開始から申し込みまでの期間
・売却希望時期までの残り期間
・現在までの問い合わせ件数は
・内見数
・周辺の成約状況

 
この5項目を確認すれば、エリア内の成約状況、物件自体の引き合いは確認できるので、『今後の可能性』を予測できます。
内見数や問い合わせ件数は「売却活動報告書」で、周辺の成約状況はこちらから確認できるので、価格交渉を受けるか否かの判断は慎重に行いましょう。
 
4. 適切なマンション売却をしていない
不動産仲介会社は仲介手数料が利益となるのですが、マンション売却には『両手取引』と『片手取引』の2種類の取引があります。
『両手取引』は、売主と買主、両方から手数料をもらう形式で、『片手取引』は売主、買主どちらか一方からのみ手数料をもらう形式です。
仲介会社と締結する媒介契約の種類によっても異なりますが、売却依頼を獲得すると媒介契約期間中は売主からの手数料(片手)が保証されます。
レインズに物件情報を登録しておけば日本全国の営業マンが閲覧可能となるので、自分で売却活動を頑張らなくても他人が購入希望者を見つけてくれるというわけです。
 
仲介手数料の支払いは成功報酬となりますから、営業活動の内容にかかわらず成約すれば仲介手数料の支払い義務が発生します。
もちろん、価格交渉されたとしても基本的に手数料の値引きは行いませんから、営業マンには誠実に売却活動に取り組んでもらい少しでも高い金額でマンションを売却してもらわなければいけません。
 
マンションの売却活動は大きく2つ
・広告活動
・内見対応

 
『広告活動』
不動産広告の主流はインターネット広告で、マンション購入検討者の大半はネット経由で問い合わせをしています。
最低限広告活動をしておきたいのは『suumo』で、数ある物件検索サイトの中でも一番の人気です。
・suumoに物件を掲載しているか?
・キレイな室内写真が掲載されているか?
・レインズに適切な物件情報が掲載されているか?

 
広告活動についてはこの3項目がメイン作業となりますので、この3項目が適切に行われているのかを確認しておきましょう。
 
『内見対応』
マンションの魅力を最大限に伝えるためには、営業マンの説明が必要不可欠です。
ただ室内に立っているだけの営業マンでは意味がないので、専有部分のメリット・デメリット、マンションの特徴などを営業マンには伝えてもらわなければいけません。
・営業マンの室内内見時の応対(専有部分内のメリット・デメリット、注意事項など)
・マンションの特徴などの把握(ゴミ捨て場の場所・決まり事、ネット環境、管理体制など) 

基本的なことですが、マンション・専有部分内の特徴を把握していない営業マンは意外と多くいます。
適切な説明ができなければマンション売却が運任せになってしまいますので、内見時には営業マンの応対などに確認して不十分な点があれば改善してもらいましょう。。
 
今回はご紹介した4つの注意点は、適正価格でマンションを売却するための注意事項です。
営業マンによってマンション売却の手残り金額が変わることもありますので、一括査定サイトでは査定価格だけでなく担当営業マンの比較も忘れずに行うようにして下さい。

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マンション売却の課題は【売出価格をいくらにするか?】です。
多くの不動産オーナーの方は『売り出し価格を低く設定してしまった』と後悔しているので査定価格の比較は必須です。
査定価格の比較は大手・中小の不動産仲介会社を網羅するイエイにお任せ下さい。

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