中古マンションの建物価格を計算する 土地と建物の按分を計算してみる

不動産売却の確定申告では『土地価格』と『建物価格』の計算をしなければいけません。
新築物件であれば契約書類でそれぞれの金額を確認できますが、中古物件の場合は自分で計算しなければいけないケースが多くなります。
なじみの無い計算なので多くの時間を費やしてしまう方が多いので、実際の書類などを利用して土地価格と建物価格の按分をシミュレーションしていきます。
計算方法は単純なので10分もあれば誰でも計算することができるので、確定申告が必要な方は確認してみて下さい。



■マイホームの売却で確定申告が必要な理由
確定申告とは、その年の1月1日から12月31日までの期間内にいくらの所得があったかを申告する作業です。
会社経営者や個人事業主、フリーランスの方などは毎年確定申告をしていますが、会社員の方は会社が申告作業を代行しているので基本的に確定申告の手続きを行う必要がありません。
 
ですが、マイホームの売却では『譲渡益が生じるケース』、『譲渡損失が生じるケース』があるので、会社員の方であっても不動産売却の翌年は確定申告をしなければいけません。
『譲渡益(売却益)が出ていれば所得税・住民税を納税するため』
『譲渡損失が生じた場合は特例を利用して所得税・住民税の税負担を軽くするため』

 
利益が生じた場合は所得に対して課税されるので誰しもがご存知の理由です。
譲渡損失が生じた場合は、確定申告をすることでその年のあ所得税、住民税の負担金額を軽くすることができるので、所得が発生していないケースでも確定申告は絶対に忘れてはいけません。
この特例は租税特別措置法によって定められているもので、不動産売却よって譲渡損失が生じた場合、損失額をその年の所得から差し引く事ができるようになり、所得税・住民税の税負担を軽くすることができます。
確定申告をしなければ特例が適用されないので、不動産売却する大多数の方は翌年の確定申告が必須作業となるのです。
 
■建物価格を確認するために必要な書類
不動産売却の確定申告では建物価格を把握することが必須です。
不動産売却による所得を確定させるには『減価償却費』を計算しなければならず、これを計算するためにも建物価格を計算しなければいけないのです。
 
複雑な作業に感じる方もいますが、必要書類と電卓を準備しておけば簡単に計算することができるので、まずは書類の確認からしていきましょう。
 
準備してもらいたい書類は以下の2つ
・不動産売買契約書
・固定資産税・都市計画税納税通知書

 
まず確認してもらいたいのが、売買契約書の赤枠です。
契約書類の書式は各不動産仲介会社によって異なりますが、記載内容は全て同様の内容になっています。

赤枠内のには、『売買代金』、『土地代金』、『建物代金』の項目があります。
『売買代金』は土地代金と建物代金の合計金額となり、建物代金の欄に金額が記載されていれば建物代金を計算する必要性はありません。
 
問題になるのが、土地代金・建物代金が空欄になっていて売買代金総額だけが記載されているケースです。
不動産業者が売主となっている中古マンション・一戸建てであれば課税されるので、ほとんどのケースで土地代金、建物代金が記載されています。
ですが、個人間売買の売主は『個人』なので課税対象業者に該当しないので、納税義務が生じることはありません。
なので、一個人が不動産売却をする場合は『売買代金総額』の欄のみに金額が記載されることになり、土地代金・建物代金の欄は空欄となっているのです。
もちろん、不動産仲介会社も消費税を考慮して査定をすることはありません。
 
■固定資産税・都市計画税納税通知書を確認して建物価格を計算
売買契約書に建物金額が記載されていない、でも確定申告書の作成には建物価格が必要、このような時は自分で建物価格を計算すれば問題ありません。
(納税通知書にも確定申告時の計算に利用して問題ない金額と記載されています。)
 
これは横浜市役所で公開されている課税明細書の見本です。
各自治体によって書式が異なりますが、記載内容は全て同じなので確認する項目を中心に確認して下さい。

確認して頂きたいのは3項目
・土地の評価額(緑で囲われてる数字)
・建物の評価額(緑で囲われてる数字)
・共用持分割合(マンションの場合)

 
上記3項目は基本的に課税明細書に記載されていますが、『共用持分割合』に関しては確認しづらい可能性があります。
このような時は不動産売買契約書に『土地の持分割合』が記載されているので、この数字を抜粋しておきましょう。
 
ここでの注意点は1つ。
課税明細書に記載されている評価額金額は特例を受けて1/6の金額になっているので、計算をする際には記載評価額の金額を6倍する作業を忘れずにして下さい。
 
■実際に建物価格を計算してみる
では、上図課税明細書を利用して実際に計算をしてみましょう。
(持分割合が記載されていないので、この点は適当な数字を割り当てます)
Ex)
契約金額:4680万円
持分割合:6130/319685
土地評価額:151042404円
建物評価額:7408918円
 
①持分割合に応じた土地の評価額を求める
151042404(土地評価額) ×6 = 906254424円
906254424 ×(6130/319685)=17377542円
 
②土地・建物 評価額の合計額を計算する
17377542(持分割合に応じた評価額) + 7408918(建物評価額) = 24786460円
 
③建物評価額が占める割合を計算する
約29.89%
 
④建物評価額の割合を契約金額に当てはめる
46800000 × 29.89%= 1398万円
 
個人間売買で4680万円の中古マンションを購入した場合の土地価格・建物価格の内訳
建物価格:1398万円
土地価格:3282万円
  
このように必要書類と電卓を準備しておけば建物価格は10分もあれば、誰でも簡単に計算することができてしまいます。
他にも計算する方法はありますが、今回確認した計算方法が一番簡単で分かりやすい方法だと個人的には思っています。
売買契約書に建物価格が記載されていない場合でも頭を悩ますことはありませんから、確定申告が必要な方は参考にしてみて下さい。

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